ノンコイルマットレスが体に合う人ってどんな人?コイルマットレスのほうが無難かな?できれば予算を抑えられるノンコイルマットレスにしたいんだけど、、、。ノンコイルマットレスの効果や特徴が知りたいな。
この記事では、↑こんな疑問に答えます。
- ノンコイルマットレスの特徴と、どんな人に合うかが分かる。
ノンコイルマットレスの効果・性能【身体に合う人、おすすめの人は?】
結論から言うと、マットレスが身体に合うか合わないかを判断するのに、「コイルかノンコイルか」という要素はあまり関係がありません。
関係するのは、マットレスの「硬さ」と「体圧分散性」。
なぜなら、身体に合うマットレスとは、体重に対して「柔らかすぎず、硬すぎない」マットレスのことを指すからです。寝たときに、立っているときと同じ姿勢を取れるマットレスが、その人に最もフィットするマットレス。(詳細: 『硬さごとの違い』 – 条件別おすすめ高反発マットレスランキング)
それでは、「コイルとノンコイル」の違いは、どのような差を生むのでしょうか? 答えは以下の3点です。
- 価格
- 耐久性
- 通気性
本記事では、上記それぞれのポイントに注目して、ノンコイルマットレスの特徴を解説していきます。
ノンコイルマットレスの種類
ノンコイルマットレスは、主に以下の2種類に分かれます。
- 高反発マットレス
- 低反発マットレス
それぞれの違いは、マットレスの芯材(=中心部に使われる素材)にあります。
ノンコイルマットレスに使われる素材・芯材について
ノンコイルマットレスの芯材となるのは、主に以下の4種類。
- 高反発ウレタンフォーム
- 高反発ファイバー
- 低反発ウレタンフォーム
- ラテックス
高反発ウレタンフォームや、高反発ファイバー素材を使ったマットレスは高い反発力を持ち、低反発ウレタンフォームを使うと体圧分散性に優れ、ラテックスはその中間の特徴を持ちます。
それぞれの素材がどのような人に合うかを簡潔に述べると、低反発素材は小柄な方に合い、高反発素材は大柄な方に合います。
というのも、小柄な方が反発力の強いマットで寝ると、身体が浮いてしまい、負荷が分散しません。同じく、大柄な方が反発力の弱いベッドで寝ると、身体が沈み込み、負荷が身体の一部に集中してしまいます。
身体に負荷をかけないマットレスとは、身体を横たえたときに、自然な立ち姿勢と同じ姿勢の取れるマットレスのことをいいます。そして、立っているときと同じ姿勢をキープするには、マットレスに 絶妙な硬さ が必要です。
なかには、「小柄だけど、低反発マットレスで寝たら身体が痛くなった」とか、「大柄だけど、高反発マットレスで腰痛になった、、、」という方もいらっしゃるかもしれません。
こういった方は、残念ながら、セオリーの罠にはまってしまった・・・と言えるでしょう。
「低反発は小柄な人向け、高反発は大柄な人向け」というセオリーの罠
確かに、「低反発は小柄な方に合い、高反発は大柄な方に合う」というのは事実なのですが、低反発(高反発)マットレスと一口に言ってもその種類は無数にあり、反発力はそれぞれのマットレスで異なります。
極端に言えば、反発力が低反発マットレスなみの製品でも「高反発マットレス」という看板を付けることも可能なわけです。
ですから、正確に身体に合ったマットレスを選ぶには「低反発 or 高反発」という2軸だけでなく、具体的なマットレスの硬さ(ニュートン)を調べる必要があります。
硬さ(ニュートン)をチェックするという概念が広がらない理由
販売員がお店で接客する際や、業者がインターネットでマットレスを売るときというのは、忙しいお客さんを相手にする分、どうしても、シンプルな言葉で商品を説明せざるを得なくなります。
簡潔に商品をアピールしようとすると、どうしても「低反発は小柄な方向け、高反発は大柄な方向け」という一辺倒な説明になってしまうのですが、これをそのまま鵜呑みにしてしまうと、先述したように「小柄だけど低反発素材は合わなかった、、、(´Д⊂」とか「大柄だけど高反発で腰痛が、、、」といった事態に陥ってしまいかねません。
したがって、身体に合うマットレスを選ぶには、「低反発 or 高反発」だけでなく、「硬さ(ニュートン)」をチェックすることが重要です。
「硬さをチェックするのは分かったけど、具体的にどの硬さを選べば良いの?」
「具体的にどの硬さを選べば良いの?」これに対する答えは、消費者庁の「ウレタンフォームマットレスの手引き」が参考になります。
110N以上: かため
75N以上110N未満: ふつう
75N未満: やわらかめ
ウレタンフォームマットレス|消費者庁
N(ニュートン)というのは力を表す単位で、マットレスに体を横たえたときに押し返す力、つまり「硬さ」を表しています。
ここまでの情報をまとめると、
- 小柄な方には低反発素材が合う
- 大柄な方には高反発素材が合う
- 正確には、マットレスの硬さ(ニュートン)をチェックすべし
- 小柄な人は75N未満
- 大柄な人は110N以上
- その中間の人は75N〜110N
となります。以下は体重ごとに選ぶべき硬さのサンプル。
ノンコイルマットレスの価格について
ノンコイルマットレスは、コイルマットレスに比べてめちゃくちゃ安いのが特徴です。
安さの理由は、構造のシンプルさ。
極端に言えば、ノンコイルマットレスは「1. ウレタンフォーム等の液剤を型に流し込む」「2. 空気を流して発泡させる」という手順で完成しますが、コイルマットレスは内部のスプリング構造を実現するために、より多くの材料・手順が必要です。構造が複雑になる分、出荷前の検品もノンコイルマットレス以上にコストがかかると考えられます。
コイル・ノンコイルマットレスの具体的な価格の差
種類による価格の差が分かりやすいように、双方の主要メーカーの販売するマットレスを最安値・最高値・平均値で比較してみました。
メーカー | 種類 | 製品数 | 平均価格 | 最低価格 |
---|---|---|---|---|
シモンズ | コイル | 22 | ¥223,462 | ¥81,000 |
シーリー | コイル | 13 | ¥184,650 | ¥87,091 |
サータ | コイル | 21 | ¥176,876 | ¥97,200 |
エアウィーブ | ノンコイル | 14 | ¥122,428 | ¥25,000 |
マニフレックス | ノンコイル | 23 | ¥76,570 | ¥11,000 ※1 |
※1 マニフレックスの最低価格はベビー用マットレスの価格なので、成人用を基準にすると ¥17,300 が最低価格になります。
比べて分かるように、コイルとノンコイルでは平均価格で5〜10万円もの差が生まれます。
「予算をできるだけ抑えたい」「いずれは高級マットレスが欲しいけど、今ではない」という方にとっては、ノンコイルマットレスが第一候補になりますよね。
ノンコイルマットレスの寿命・耐久性、密度について
基本的に、ノンコイルマットレスは、コイルマットレスと比べて劣化が早いです。その原因は、湿気の影響を受けやすいか否か。
ノンコイルマットレス製品の多くで使われるポリウレタンという素材は、空気中の水分や寝汗を受けて、徐々に柔軟性が失われます。この反応を加水分解といいますが、これがノンコイルマットレスの劣化を早める最大の原因。
ポリエチレンやラテックス素材を使ったマットレスは水への耐性はあるのですが、対して熱や紫外線に弱いという特徴があったりするので、やはり、いずれにせよコイルマットレスよりも耐久性は下がってしまいます。
ノンコイルマットレスの通気性について
コイルマットレスと比べたときに、ノンコイルマットレス最大の欠点となるのが通気性です。
コイルマットレスは内部がほぼバネのみで構成されているのに対して、ノンコイルマットレスは材がびっしりと詰まった構造になっています。特に、
- 低反発ウレタン
- 高反発ウレタン
- ラテックス
以上の3つは空気を通しづらい素材のため、湿度の高い真夏の熱帯夜には寝苦しさを覚える可能性が高いです。
唯一、エアファイバー素材は幾重にも空気を通す穴が空いているので、コイルマットレスにも負けない抜群の通気性を誇っています。
まとめ:ノンコイルマットレスの特徴について
ノンコイルマットレスの質は年々上がっています。マットレスに必要とされる「反発力」と「体圧分散性」に関しては、もはや、コイルマットレスに見劣りしない製品も多々あります。
確かに、耐久性はコイルマットレスに劣りはしますが、ノンコイルマットレスの魅力はなんと言っても価格の安さ。価格と耐久度のバランスを見れば、決してデメリットとは言い切れないんじゃないかと思います。
ただし、通気性に関しては間違いなくコイルマットレスが優れています。この点については何らかの対策が必要ですね。例えば、吸水性の高いベッドパッドや、通気性の高い素材(麻、レーヨン等)でできたベッドパッドと併用するのはおすすめです。
- 身体に合うか否かは、硬さ(反発力)で決まる
- ノンコイルマットレスの優れた点は、価格の安さ
- ベッドパッド等で通気性対策をするとより快適に利用できる
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