ベッドのメーカーって調べ始めるとめちゃくちゃ多いですよね。特徴や価格帯も様々ですから、ベッド選びを始めたばかりの頃は
- どこで買えば良いのん?
- 何を買えば良いんじゃ!
って悩むと思います。もろにかつての僕がそうでした。
そこで、このページではベッド選びに悩む方に向けて、16社の人気メーカーの特徴をできるだけ分かりやすくまとめてみました。
かつてベッドを買うときに調べた内容を思い出しながら、あやふやな部分は新しく調べ直して(えらい)書いてみたので、新生活や体調の変化でベッドの買い換えを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ベッドを比較するときは、どんなポイントに注目すればいい?
ベッドに限ったことではないですが、ものを選ぶ上で大切なのは「それを選ぶことで満足感を得られるか」ということだと思います。
そして、満足感を得るためには、それを選んだことで「目的が達成される」ことが必要だと思います。例えば「文字を書きたい」という目的でペンを買ったのに、インクが出なかったら満足感は得られませんよね。なので、インクが出ることは満足感を得るために絶対に必要な条件になります。
また、満足感には度合いがあります。選んだものが目的を達成するために必要な条件を満たした上で、「叶ったら嬉しい条件が揃っていく」ことで満足度は段階的に向上します。先程のペンを例に取ると「インクが出る」ことで目的は達成されて、「書きやすい」とか「インクの量が多い」といういくつかの条件が揃っていくことで、満足の度合いは上がっていきます。
ですから、ベッドを選ぶときも「ベッドを買うことで達成したい目的は何か?」を考えることがまずは大事で、その次に「叶ったら嬉しい条件は何か?」もあわせて考えておくと良い買い物ができると思います。
ベッド選びを始める前に、ぜひ「ベッドを買う目的」と「叶ったら嬉しい条件」を改めて洗い出してみてください。
条件に違いがないなら、ストーリーに注目してみる
ベッドを選ぶ上で気になる条件は意外に少なくて、
- いくらで買えるの?
- 眠りやすいの?
- 疲れは取れるの?(腰痛・肩こり含む)
という3つに絞られると思います。これらの項目において自分の合格ラインを超えるような製品を選べれば、満足度の高いベッドが買えるはずです。
ただし、もしかするとメーカー間の機能(寝心地の良さ、疲れが取れるか)に差を見つけるのが難しいこともあるかもしれません。
そういった場合には製品や会社の持つストーリーに注目してみてください。
例えば「イギリスの王女様のように暮らしてみたい」と思ったことがある人なら、英国王室御用達の称号「ロイヤルワラント」の栄誉を授かった「スランバーランド(メーカー)」に魅力を感じると思いますし、日本ブランドに誇りや力強さを感じる人なら「皇室や宮内庁御用達」として有名な「日本ベッド(メーカー)」に魅力を感じると思います。
ベッドを選ぶ際は、ぜひ共感できるストーリーがあるかにも注目してみてください。
人気ベッドメーカー7社の特徴を紹介!
メーカーごとの特徴を分かりやすくまとめてみたので、ベッドを買う目的やベッドに望む条件と照らし合わせて、じっくり比較検討していただければと思います。
シモンズ
公式サイト: http://www.simmons.co.jp/
多くの人が知る高級マットレスメーカーで、ベッドの雄と呼ばれています。1870年にザルモン・シモンズにより創業。しかし、米シモンズは2009年に倒産し、現在はサータが買収して子会社化。 日本での販売は、1987年に米シモンズから独立した「シモンズ株式会社」が行っています。
現在のコイルマットレスの主流であるポケットコイルマットレスはシモンズの発明品です。人の寝姿勢は立っているときのような姿勢がもっとも理想的とされていますが、ポケットコイルの発明により、これを実現しました。
シモンズの特徴はしっかりとした硬めの寝心地。そして、寝返りなどの振動に強いことも魅力の1つで、「ボーリングのピンを並べたマットレスに対して、真上からボーリングの玉を落としてもピンは一本も倒れない」という広告は非常にインパクトがありました。
また、マットレス表面の詰め物の量も少ないのもポイントです。詰め物というチートに頼らずコイル一本で勝負する姿勢には、ポケットコイルの生みの親としてのプライドが感じられて、個人的にはたいへん好感を持てます。コイルへの自信の表れだと思います。
シモンズのシェアは世界トップクラス。アメリカでは6人に1人がシモンズを愛用しています。しかしその立場にあぐらをかくことはなく、伝統的な手法と最先端の技術を組み合わせて、常に研究・改良を重ねている信頼のおけるメーカーです。
価格帯は¥89,640(5.5インチレギュラー)〜¥658,000(アルティメットピロートップ)と、ベッドメーカー全体で見てもトップクラスに高級です。当然ベッドの作りや使用される素材は最高級品。
型番に注意
一点気をつけてほしいのが、シモンズの名前を冠しながらも性能はいまひとつな量販廉価モデルの存在。
シモンズのマットレスにはAAから始まる型番、ABから、BBから始まるものがあります。
それぞれの違いは、
- AA: 世界標準仕様
- AB: かためを好む日本仕様
- BB: 量販廉価モデル
と分かれていて、ホテルなどに納品されている「シモンズ」はAから始まる型番のものがほとんどです。
ですから、仮にホテルで体験したシモンズのベッドに憧れているのなら、BBシリーズは避けて、Aから始まるいずれかのシリーズを選ぶことをオススメ。寝心地には雲泥の差があります。(AA≧AB>>>>>BB)
シーリー
公式サイト: http://jp.sealy.com/
米国テキサス州シーリータウンで1881年に誕生。米国ベッド業界を牽引するブランドとして、つねに業界トップを走り続けています。
シーリーの寝心地は、ふわんふわんとした独特の柔らかさが特徴です。たびたび「雲の上にいるような」と例えられます。
また、整形外科医のアドバイスを求め、健康を意識した商品開発を始めたのはシーリーが先駆けで、1989年の「ポスチャーテックコイル(米国特許取得)」に代表されるように、革新的なテクノロジーで次々と快眠をサポートする商品を生み出しています。
適切な寝返りをサポートする「プレッシャーリリーフ・インレー」という機能も、整形外科医と連携しているシーリーならではの構造です。この機構により「荷重に応じた適切な反発力とサポート力」と「不快な圧点の除去・体圧分散」の2点を両立させています。
サータ
公式: https://www.serta-japan.jp/
シモンズ、シーリーと並び「3S」と称されるビッグブランドの一つです。2011年からはシーリーに代わって5年連続でシェア1位を取っていて、ホテルへの導入実績が多いことでも有名です。
1931年創業。日本国内のサータマットレスは、ドリームベッド株式会社がサータ社からライセンスを受けて、日本の工場で製造しています。本国の品質はそのままに、日本の住環境や日本人の体形に合わせて改良されているので、日本人好みの寝心地を実現しています。
特徴は粘りのあるしっかりとした寝心地で、日本人好みの硬めのマットレスと言えるでしょう。体を横たえたときにクンっと一瞬沈み込み、その後体全体を優しく持ち上げてくれるような弾力が印象的です。
この弾力を実現していると思われるのが、部位によって異なる線径のコイルを使う独自の機構。頭や足の部分は1.9mmのコイルを使って、より体圧のかかる腰やお尻部分には2.0mmのコイルを使うといった組み合わせでマットレスを作っています。素人からすると0.1mmの違いではほとんど差がないように思ってしまいますが、彼らはこの僅かな違いにも徹底的にこだわり、快適な寝心地を生み出しています。
日本ベッド
日本国内で最も歴史のあるベッドメーカー。ホテルはもちろん、宮内庁でも利用されるほどの信頼と実績があります。1926年創業。
日本ベッドの特徴は、詰め物が非常に薄いこと。シモンズの紹介でも述べましたが、これはコイルに強い自信を持っている証拠です。
通常詰め物をすると身体へのフィット感が良くなり、「気持ち良い・寝心地が良い」と感じやすくなります。しかし詰め物は劣化が早いため、詰め物の多いマットレスは購入時の寝心地をすぐに損なってしまうという欠点があるんですね。逆に詰め物が薄い場合は身体へのアタりが悪くなり「ゴツゴツする・なんか硬い」という印象を与えてしまいますが、経年による寝心地の変化は少ないです。
日本ベッドの「シルキーポケット」シリーズはこの常識を覆し、マットレスのコイル数を他社の2倍(!)にすることで、詰め物は薄いのに、コイルの能力だけで詰め物を厚くしたときのようなしなやかさを生んでいます。
また、詰め物が薄いということは体の動きがよりダイレクトにコイルへ伝わるということなので、身体のS字ラインを綺麗に保ち、理想的な寝姿勢を取るのに役立ちます。寝姿勢が保たれることで、腰痛や肩こりを抑えるのに効果的と言えるでしょう。
ちなみに、コイルには世界で初めて熱処理を施しています。この技術により、熱処理を加えていないコイルマットレスに比べて耐久性が高くなっています。
フランスベッド
公式サイト: http://www.francebed.co.jp/
国内最大手。名前はフランスだけど、日本のメーカーです。「西洋文化に憧れる若者に、ベッドのある暮らしを届けたい」という当時の社長の思いから、華やかな欧風文化の象徴として「フランス」を冠しました。日本の気候や風土に適したマットレス作りに定評があり、日本人の体に合うマットレスを作っています。1949年創業。
フランスベッドの特徴は、マットレス内のコイルをたった1本の銅線から編み上げた「高密度連続スプリング」。相互に連結したコイルが体をバランス良く受け止めるので、身体の一部が落ち込むということがなく、耐久性にも優れます。 日本は高温多湿ですので、個々のスプリングを布で包むポケットコイルよりも通気性は高くなります。
また、医療や介護にも力を入れていて、数多くのリクライニングベッドを取り揃えています。
東京ベッド
公式: http://www.tokyo-bed.co.jp/
1928年に創業し、約90年間ポケットコイル一筋で生産し続けている国内のマットレスメーカーです。こちらも日本の風土や気候に適した製品作りを行っていて、日本人の体にフィットするように研究されています。
マットレスの製造はすべて千葉県柏市にある自社工場で行っていて、「寝心地の良さはもちろんのこと、中身の見えない製品だからこそ安心して使って欲しい」という思いから、職人による手作業で仕上げが施されています。
また、マットレスだけではなくベッドフレームの開発にも力をいれていて、面積が狭く収納が不足しがちな都心部の需要に応えるように、収納付きのフレームを数多く生み出しています。もちろんフレームもすべて日本製。
3Sや日本ベッドと比べると比較的安価でありながら、それらに迫るパフォーマンスの高い製品を生み出しています。
1968年にフランスベッドグループと業務提携しています。
2018/8/9 追記: 今東京ベッド製品を買うなら「neruco」がおすすめ!
ベッド通販専門店「ベッドコンシュルジュ-ネルコ-」 は、僕がよくおすすめしている通販サイトで、ここは配送料金が無料というだけじゃなく、自分でやると面倒な「開梱・設置」を無料でやってくれる商品が多いということもあってかなり便利に使えるんですが、ここ、9/2まで限定で、東京ベッド製品を購入したお客さんだけにポイントが10%還元 されるみたいです。
滅多にないチャンスなので、いまRev.7シリーズの購入を考えている方は「neruco」を利用すると良いと思います。
アイシン精機
公式: http://www.aisin-asleep.com/
トヨタグループの傘下にあるメーカーで、昔は「トヨタベッド」、いまは「ASLEEP」というブランド名のマットレスを製造・販売しています。1966年創業。ASLEEP自体は2006年に設立されました。
世界のトヨタ傘下にある自動車部品メーカーということで、まさに世界最高水準の技術力を有しています。その技術力を活かして、既存のベッドメーカーとは異なる視点・角度から「理想の睡眠環境とは?」ということについて、独自の研究開発を続けています。
ASLEEPの特徴はコイルでもなくウレタンでもない、「ファインレボ」という独自の新素材にあります。文字通り今までのマットレスには使われたことのない新素材すぎて言葉では説明しづらいです。まずはこちらの動画(GIF画像)を見てください。
体を横たえる(負荷がかかる)瞬間や、姿勢を動かすたびに素材の形状が変わっていることが分かると思います。こうした素材の性質が優れた体圧分散性と寝返りのしやすさを生むと説明されています。
ASLEEPの体圧分散性については↑の動画を見ると分かりやすいです。そしてこの動画、ある程度既存のベッドの仕組みを知る人が見ると「これちょっと凄いかも……」ってなると思います。
簡単に言えばファインレボ素材はボンネルコイルとポケットコイルのまさに良いとこどりって感じで、始めは点状態で体を受け止めるけど、圧力を受けて負荷が高まった箇所は面状態に変化するという仕組みになっています。つまり、点状態で体圧を分散しつつも、負荷の高い場所は面状態となるのでさらに体圧を分散できるということ。この発想は非常に新しい!
僕がベッド選びをしている当時は(リサーチ不足か)ファインレボの存在を知らなかったので、まだ実際の寝心地は確かめられていないんですが、この仕組を見ただけでもベッド業界にとって革命的な製品であることは間違いないと分かります。すげー試したいw
僕自身はもうすでにベッドを買っちゃってるのでしばらく買い換えることはないと思うんですけど、せっかくなので近々寝心地を確認しに行ってレポート記事を書いてみようかなーと。なので気になる方は少々お待ちを!
ただ、それがいつになるか正確なところは分かりませんので、少しでも気になっている方は僕のレポートを待つよりも自分で寝心地を確かめに行ってもらったほうが早いかと思います。結局最後は自分で寝心地を確認しないと決心付きづらいですし。
ファインレボを体験できるショールームは全国5箇所
- 東京
- 横浜
- 名古屋
- 金沢
- 大阪
ショールームは以上5つの都道府県で開催されています。ぜひお近くのショールームで寝心地を確認してみてください。
大体どこのショールームもそうなんですけど、混雑している土日なんかはお客さんが多くて十分にマットレスの寝心地を確かめられないことも多いです。
なので、来館する日にちが決まったら事前に予約しておくことをおすすめします。優先的に案内してくれるので、スムーズにたくさんのマットレスを試せますよ。
その他のベッドメーカー
- テンピュール
- RUF(ルフ)
- レガリア(大塚家具)
- 東京西川
- レストニック
- スタイリューション
- スランバーランド
気になるメーカーが見つかったら?
アイシン精機(ASLEEP)の項目でも書きましたが、カタログを請求したりショールームへ行って、予算や好みに応じて気になる製品を探してみましょう。
ベッドの選び方を詳しくまとめたページを用意したので、事前に読んでおくとベッド選びが捗ると思います。まだ読んでいない方はこちらもぜひ。