「良い感じのカウンターテーブルがない・・・。良いと思ったものは値段が高いし、DIYしてみたいけど作り方が分からない・・・」
この記事では、こんな悩みにお答えします。
「新しいインテリアにチャレンジしたい」と思っても、家具を探す過程で価格やデザインに折り合いがつかず、結局諦めてしまうことってあると思います。
そこでおすすめしたいのが「DIY」。DIYなら、費用を抑えつつも、自分好みの家具を手に入れることができます。
例えば、下の写真は「DIY二作目」の初心者(僕)が作ったカウンターテーブル。
DIY初心者でも日曜日だけでここまでやれます。材料にかかった費用は¥20,000程度。
本日は、写真のカウンターテーブルを作った当時を振り返りながら、初心者の方でも分かるように、カウンターテーブルの作り方を解説します。
DIYなら形はもちろん、塗装や細部の金具にいたるまで、すべて自分の好みで作ることが出来ます。加えて、一から自分で作るので、材料費以外に無駄な費用が発生しません。お店で買う場合は、流通の過程で生じた様々なコストが商品に乗っかってしまうので、どうしても値段が高くなってしまいます。
もちろん、普通に買うより手間はかかってしまいますが、そのぶん家具に対する愛着は深まります。照明を落として自作のテーブルで飲むお酒、最高ですよ・・・!
この記事を読んで、ぜひチャレンジしてみてください。
用意する材料、道具
今回のカウンターテーブル作りでは、主に以下の材料・道具を使います。
- 木材
- シンプソン金具
- コーススレッド(ネジ)類
- インパクトドライバー
- 塗料と塗装用の道具
特筆すべきは「シンプソン金具」。ツーバイ材を使ったDIYが、手軽に、そして、楽しくなるアイテムです。
その他はDIYの基本となるアイテムですが、念の為、ここではそれぞれについて詳しく解説します。
木材
使用するのは以下の木材。
- 枠組み
- ツーバイフォー材(厚38mm×幅89mm)
- 脚(×4)
- 繋ぎ(×7)
- ツーバイフォー材(厚38mm×幅89mm)
- 天板
- 厚32mm×幅115mm(×2)
- 厚32mm×幅185mm(×2)
- 天板裏(繋ぎ&ズレ防止)
- 厚10mm×幅85mm(×2)
- テーブル前面
- 厚10mm×幅85mm(×13)
- 厚10mm×幅40mm(×1)
この後に紹介しますが、このとき使った木材はWOODPROというショップで購入し、合計で¥13,000ほどでした。
ツーバイフォー材とは
ツーバイフォー材は「2×4材」とも表記する通り、厚みが2インチ、幅が4インチの木材です。今回はこちらの木材をテーブルの枠組みに使います。
2×4材に代表される「ツーバイ材」とは、アメリカの建築では馴染みの深い「2×4工法」に使われる木材の総称で、
- 安価
- 入手しやすい
- 加工しやすい
といった特徴から、DIYで最も多く使われる木材の一つと言えます。
大抵どのようなホームセンターでも取り扱う規格の木材なので、用意するのに特段苦労するということはないでしょう。
ただし、テーブルを作るとなると木材の総重量は相当なもの。車があれば良いけど、徒歩で持ち帰るのはかなり厳しい。そんな場合は、インターネットのショップを選択肢に入れてみても良いかもしれません。
どのようなショップでも構いませんが、サイズのカットを臨機応変に対応してくれるショップが望ましいです。
木材のおすすめショップは「WOODPRO」
僕が木材を買うときは「WOODPRO」というショップを利用しています。創業から30年以上の歴史があり、インターネットでの出店も約20年前から続けている信頼のおけるショップです。
木材に塗装をしてから配送してくれるオプションがあるので、DIY初心者には特におすすめ。塗装にかかる費用はサイズによって変わりますが、「最低で¥30、最高で¥300」と恐ろしいほど良心的です。
資材のカットも10ミリ単位のオーダーに応えてくれるので、自分でノコギリを用意する必要もありません。
シンプソン金具
今回のカウンター作りで肝となるのがこちらのアイテム。
「2×4材」同士の接合・補強を、誰でも簡単に行えるようにする金具で、アメリカのメーカーである「シンプソン社」が製造しています。
種類は20以上あり、目的・用途に応じて使い分けできるのが特徴です。価格は、大きさに応じて「¥80〜¥1,000」と安価。
初心者のDIYを助ける、魔法のようなアイテムです。
- リジットタイ・コーナーコネクター RTC2Z(×6)
- リジットタイ・コネクター RTR(×2)
今回使うシンプソン金具は上記の2種類。これに加えて、シンプソン金具の国内正規取扱代理店である「八幡ねじ」の、以下の製品も使用しました。
- 2バイ材用金具 らくらく取付コーナー 2バイ用(×2)
また、テーブルの設計に一部不安が残り、「アングル A23」というシンプソン金具も買っていましたが、結果的に、こちらは使わずに済みました。
接合金具を買うなら「ホームセンターブリコ」
シンプソン金具を買うにあたって気をつけたいのが、ショップによって価格設定がピンきりということ。
様々なショップを見て回りましたが、良心的な価格設定、かつ金具の品揃えが豊富だったのが「ホームセンターブリコ」というお店。楽天に出店しています。配送も早く、おすすめです。
コーススレッド(ビス)類
木材同士や、金具と木材の接合を行う際に使用します。
今回は以下の二種類を使いました。
- 金具と木材の接合
- 32mm
- 木材と木材の接合(天板と繋ぎ用材)
- 25mm
インパクトドライバー
インパクトドライバーは、本格的なDIYをする上で必須のアイテムです。
詳しくは、以前書いた「DIY入門!賃貸でも傷無し簡単に収納を兼ねた壁棚を作る方法を解説」という記事のインパクトドライバーの項目をご覧ください。
安全性が問われる製品なので、極端な安物は避けたほうが無難です。
おすすめのメーカーは「リョービ」。一般の方は聞き慣れないメーカーだと思いますが、プロが現場で使うレベルの、信頼に足るメーカーです。
H社のバッテリー式インパクトドライバ買おうとしたが、電設やってる友人から「使用頻度は?使うときに備えてのバッテリー充電も大変だぞ」と言われ延長ドラムコードと本品を買った。アルミ角パイプやら、木材やら敵なし。DIY に最高でした。
Amazon | リョービ(RYOBI) インパクトドライバ CID-1100 657100A
上記のAmazonレビューの通り、使いたいときにサッと使えるコード式の製品がおすすめ。充電式と比べて打ち込むパワーが強いので、どんな材でも楽勝です。コード式は価格が安いのもポイント。
塗料と塗装用の道具
好みや仕上げたい風合いに応じて、木材の塗料を選びます。
おすすめは、誰が塗っても手軽にビンテージ感を出せてしまう最強塗料、「ブライワックス」。
詳しくは、以前書いた「DIY入門!賃貸でも傷無し簡単に収納を兼ねた壁棚を作る方法を解説」という記事の塗装道具を参考にしてください。
色数も14種類と豊富で、ナチュラルテイストからミッドセンチュリー調まで自由自在に仕上げることができます。
ブライワックスが木目を活かした塗装におすすめなのに対して、木目にも色を乗せたい場合は、ターナー色彩の「ミルクペイント」シリーズがおすすめです。
特にDIYをされる女性に人気の塗料で、アメリカントラッドな可愛らしい仕上がりが期待できます。
男前な風合いに仕上げたいなら、ターナー色彩の「アイアンペイント」が大活躍
先ほど「シンプソン金具」を紹介しました。
ご覧の通り、「シンプソン金具」は上品なシルバーで、そのまま使っても白木やナチュラルな色味にばっちしハマる素敵なデザインです。
しかし、今回作るカウンターテーブルはインダストリアルな雰囲気に仕上げたい。
そこで、以下の塗料を使って、金具をアイアン調に塗装します。
ターナー色彩の「アイアンペイント」というシリーズの塗料です。これを塗ると、どんなものでもアイアン調に仕上がるという優れもの。
右側半分にアイアンペイントを塗った状態。違いが分かると思います。
以下は全面に「アイアンペイント」を塗った図。
鈍い光沢のある、無骨なアイアン調に仕上がりました。
アイアンらしく仕上げるコツは、なぞるように塗るのでは無く、ポンポンと「叩くように塗る」こと。表面を凸凹とざらつかせることで、より立体感のあるリアルな仕上がりとなります。
なお、「アイアンペイント」はどんな物にも塗ることが出来ますが、金属とガラスに塗る場合には「マルチプライマー」で下塗りをすることが推奨されています。
僕は間違って同社の別シリーズである「ミルクペイント」のマルチプライマーを買ってしまいました・・・。アイアンペイントにはアイアンペイント用のマルチプライマーを使いましょう。
ちなみに、しょうがなくマルチプライマー無しで塗装することになりましたが、何度か重ねることで問題なく塗れました。厚めに置くように塗るのがポイントですね。(余分に塗料を使うことになり勿体無いので、マルチプライマーは買っておいたほうが良いです。)
その他、あると捗るもの
ブルーシート
屋内で作業することが多いなら、ブルーシートは持っておいて損は無いです。
作業時に床を傷付けない目的のほか、塗装で床を汚したくない場合にも有効です。
ツーバイフォー定規
ビス用の穴を打つ点に目印を付けたり、ノコギリでカットする線を引いたりと大活躍。
ツーバイフォー材を扱うのならば、用意しておくと助けられる場面は多いはず。
ステンレス定規
ツーバイフォー材以外に線を引きたいときや、設計図を書くときに使っています。
刷毛
アイアンペイント用に購入しました。
アイアンペイントはスポンジなどを使って塗るのも良いですが、細めの刷毛を一つ持っておくと、細かい部分に塗料を乗せる際に役立ちます。
ダボ錐
天板用に並べた板材をスノコ状に繋ぐ際に、打ち込むコーススレッドの長さが足りない場合を考慮して用意しました。
と言ってもなんのこっちゃわからんと思いますので、後ほど作り方を説明するなかで紹介したいと思います。
カウンターテーブルの作り方
いよいよ作り方の解説です。手順は、以下の通り。
- 完成形をイメージする(設計)
- 材料と道具を準備する
- 塗装する
- 枠を組み立てる
- 天板を組み立てる
- テーブル前面に板を貼り付ける
各手順について、僕が実際にカウンターテーブルを作ったときの画像を添えながら解説していきます。
なお、1.〜3.までの手順は、以前書いた「DIY入門!賃貸でも傷無し簡単に収納を兼ねた壁棚を作る方法を解説」という記事の壁棚の作り方を解説の項目と重複する部分も多いです。あわせて読んでいただくことで、理解が深まると思います。
1. 完成形をイメージする(設計)
まずは「どんなカウンターテーブルを作りたいか」をイメージします。
このとき、自分自身でいくつかの質問に答えていくようにするとイメージが固まりやすいです。
例.
- 予算は?
- ¥20,000
- どこに置く?
- キッチンとリビングの区切りとなる場所
- 用途は?
- 食事をとるダイニングテーブル代わりとして
- 調理台としても利用したい
- 天板を替えることでDIY時の作業台としても使えると嬉しい
- どんな雰囲気にしたい?
- インダストリアルな雰囲気
- アイアンの金具
- ビンテージのような風合い
- 暗めで、味わいのある茶色
- 高さは?
- 1000mm
- 長さは?
- 1146mm
- 幅は?
- 588mm
ここでは、できるだけ具体的に答えるのがイメージを固めるコツです。
PinterestやInstagram等の写真投稿サービスを使って、様々なDIY事例を見るのもイメージを固めるのに役立ちます。
サイズを明記して完成図をスケッチする
イメージが固まり次第、それを図面に落とします。図面と言っても、プロではないので、ラフなスケッチで構いません。
スケッチをする目的は3つ。1つ目は「イメージをより具体的にする」ため、2つ目は「購入する木材のサイズを決める」ため、3つ目は「購入した材料を正しく組み立てる」ためにあります。
なかでも2つ目は重要です。「どんな木材が必要なのか?」を把握できる図を意識して、全体像をスケッチしましょう。
スケッチや図面を書くのが苦手、という方も安心してください。下の写真くらい適当なスケッチで構いません。
字も絵も汚ねー(笑)。お恥ずかしい。
ですが、こんなレベルだとしても、書いておくことが重要です。
人に見せるためのものではなく、自分が理解するためのものと割り切ってスケッチしてみましょう。
2. 材料と道具を準備する
【用意する材料、道具】(記事内リンク) で紹介したアイテムを揃えましょう。
改めて整理すると、以下の物が必要です。
- 木材
- シンプソン金具
- コーススレッド(ネジ)類
- インパクトドライバー
- 塗料と塗装用の道具
先に述べましたが、木材自体はホームセンターで揃えることもできますし、運ぶのが大変という場合はネットショップを使うのも良いでしょう。
僕が普段使っているネットショップはWOODPROです。木材のカット無料(10mm単位)サービスや、塗装済みの木材を販売していて便利です。
また、金具を揃えるにはホームセンターブリコがおすすめです。扱う金具の数が多く、良心的な価格設定のお店です。
3. 塗装する
手元に木材が届いたら、まずは塗装です。
ブライワックスを使う場合、塗装の手順は以下の通り。
- やすりがけ
- 水性ステイン塗布
- ブライワックス塗布
- ブラシで磨く
- 好みの色になるまで 3.以降を繰り返す
詳しくは、以前書いた「DIY入門!賃貸でも傷無し簡単に収納を兼ねた壁棚を作る方法を解説」という記事の必要であれば、木材に塗装するの項目をご覧ください。
今回写真で紹介するカウンターテーブルを作った際は枠のみを先に塗装し、天板と前面の塗装は後に回しています(天板と前面の板壁は、材を組み合わせた状態でヤスリがけ&塗装をしたかった)。
塗装済み木材のすゝめ
今回のカウンターテーブルのように、パーツの多い家具を作る上で、最も時間のかかる工程が「塗装」です。
そのため、塗装済みの木材を購入すれば、DIYが一気にイージーモードに変貌します。圧倒的に楽。
ですから、DIY初心者の方で、作業量に不安が残る・やり切る自信が無いという方は、先に紹介したWOODPROのようなショップで、塗装済みの木材を用意することをオススメします。
WOODPROの塗装済み木材については、「WOODPRO – DIY素材(楽天市場)」のページを参考にしてください。
4. 枠を組み立てる
枠用の2×4材を、準備した金具を使って以下のように接合します。
- 赤(×6):リジットタイ・コーナーコネクター RTC2Z
- 黄(×2):リジットタイ・コネクター RTR
- 青(×2):2バイ材用金具 らくらく取付コーナー 2バイ用
枠と金具はインパクトドライバーを使って、「32mm」のコーススレッドで固定します。
木材の節と重なる場所にコーススレッドを打ち込む際は、細めのドリルビットなどに付け替えて、事前に下穴を開けておくことをおすすめします。
節は固いので、下穴無しで打ち込むとインパクトドライバーが暴れて、画像のように材を傷付けてしまうことがあります。
5. 天板を組み立てる
天板用の材を下図のように並べます。
その後、ツーバイフォー定規を使って枠に重なる部分に線を引き、線に沿って厚さ10mmのつなぎ材を置いて「25mm」のコーススレッドで固定します。
写真のカウンターテーブルを作った際は、用意していたコーススレッドの長さだと、親となる木材とコーススレッドとの接合面積が小さいと感じたので、ダボ錐で穴を開けてからコーススレッドを打ち込んでいます。
おそらくそのまま打っても大丈夫だとは思いますが、気になる方は真似してみてください。
わざわざスノコ状にせずとも、枠と天板を直接ビスで固定してしまう方法もありますが、スノコ状にすることで天板の着脱・交換が可能となり、例えば、食事用のテーブルとして利用しながらも、天板を交換することでDIY用の作業机にもなる、といった使い方ができるようになって便利です。
天板は毎日手に触れる場所になるので、念入りにヤスリをかけます。
ヤスリがけが終わったら、塗装で仕上げます。
6. テーブル前面に板を貼り付ける
テーブル下に見せる収納を作る場合はこの状態で完成としても良いと思います(無骨で格好良いので、個人的にはこの状態が好き)が、このときはテーブルの前面に板を張りました。
板を張ることで、テーブル下に隠したい物を収納するスペースを作ることができるので、より実用的なカウンターテーブルとなります。
ビスやコーススレッドで固定しても良いですが、時々によってデザインを替えたい場合があるかもしれないので、両面テープで板材を固定します。
最後に、前面の板材に塗装をすれば、完成です。
完成から数ヶ月使用してみての状態、写真ギャラリー
普通、カウンターってキッチンと反対側に椅子を置くと思うんですが、我が家ではテレビがキッチンの向こう側にあるので、ご飯食べながらテレビを見たいあまり、下図のような配置になっています。
板壁で隠されたスペースには、無印良品のゴミ箱が5個並ぶように設計されています。左から、「燃える、プラ、ペットボトル、缶、ビン」。
最も苦労したのは、テーブルに合う椅子を見つけること。
高さ、色味、価格の面で納得のいく椅子を見つけるのは大変難しく、いくつものショップを朝から晩まで探し回った結果ようやく見つけた奇跡の一品。テーブルのアイアン調の金具ともぴったり揃っていて、木の色味もバッチリなハイスツール。楽天で買いました。
塗装に使ったブライワックスは水や熱に弱いので、コップの輪染みなんかはもろにつきます。でも、「それも味」として楽しんでいます。塗装が薄くなればまたワックスを塗り込めば良いですし、染みが気になるなーと思ったら、別の塗装を試しても良いわけです。
このように、「形を変えるということを受け入れて、長く物と付き合う心づもりができる」というのは、つくづくDIYの良いところだなーと感じています。
まとめ
今回解説した方法を実践していただければ、誰のものでもない、あなただけのテーブルを作り上げることができます。その出来栄えに、きっと心の奥底から満足するはず。
それでは、最後に、作り方をおさらいしましょう。
- 完成形をイメージする(設計)
- 材料と道具を準備する
- 塗装する
- 枠を組み立てる
- 天板を組み立てる
- テーブル前面に板を貼り付ける
DIYの良いところは、形はもちろん、塗装や細部の金具にいたるまで、すべて自分の好みで作ることが出来る点です。「こうしたほうが、より自分の好みにあっている」という点は、どんどんアレンジしてみてください。
今回登場したアイテムのおさらい