「FPSやゲーム全般におすすめなワイヤレスヘッドホンを知りたい。でも
ワイヤレスは遅延が気になるし、有線にしといた方が無難なの?長時間利用しても疲れないものはある?できれば充電が楽なものがいいんだけど・・・」
この記事ではこういった疑問に答えます。
僕のワガママに応えてくれた文句無しのワイヤレスヘッドホン、それがaudio-technica「ATH-DWL770」
先日、8年ほど愛用したヘッドホンから新しいヘッドホンに乗り換えました。選んだのはこちら。
audio-technicaの「ATH-DWL770」というヘッドホンで、ワイヤレスかつ低遅延、FPSなどの高いレイテンシーが必要となるゲームにもばっちり応えてくれています。
これまでFPSやその他PCゲームをプレイする度に、ヘッドホンの取り回しを煩わしく思っていました。問題の根源はずばりコード。煩わしかったのは以下の点です。
- 配線で机の上がごちゃごちゃする
- コードが引っかかって飲み物をこぼしそうになる
- 体や頭の動きに制限が出る
- ボイチャを繋いだプレイ中、トイレなどの急な離席でヘッドホンを外すひと手間が億劫
- かつ、離席中の情報共有が遮断されるので、席に戻ったあとに、自分だけのために状況を共有してもらう必要がある
有線のヘッドホンを使っていた当時、ゲームをするとき以外はワイヤレスのイヤホンを利用していたこともあり、普段ワイヤレスの恩恵を受けていると、いざ有線のヘッドホンを付けたときに感じるストレスってハンパないんですよね。
そこで、ヘッドホンを新調するにあたって第一条件にしたのはワイヤレスであること。第二に低遅延であること。詳しくはこの先で述べますが、遅延問題は無線機器の宿命でありながらも、回避方法はいくつかあります。
その他にも求める条件はいくつかあり、まとめると、
- ワイヤレス(無線)
- 低遅延(レイテンシー50ms以下)
- 軽い(250g前後)
- 充電と利用の行き来が苦にならない
- トランスミッター(ヘッドホンとPCの送受信機)の配線がシンプル
- デバイス間の切り替えが楽(ゲーム用のWindows PCと仕事用のMac間)
- ヘッドセットで無い(マイクはオーディオインターフェース経由で繋いでいるので不要)
- ゲーム(主にFPSのマルチプレイタイトル)で利用するので、爆発音などの低音よりも、足音や銃声、ボイスチャット等の高音の聞き取りやすさを優先
- 反響が少ない(音場が狭い)
といった感じで、我ながら、かなりワガママ。しかし、これだけの条件をすべて満たしてくれたのが「ATH-DWL770」です。
PUBGやレインボーシックスといった音が重要となるFPS(TPS)でも遅延は一切気にならず、付け心地も良いため、長時間の利用にも耐え得る名機だと感じました。
以降で具体的におすすめな理由を解説するので、ゲーム用途に最適なヘッドホンを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
FPSゲーマーに「ATH-DWL770」がおすすめな6つの理由
前提として、僕がヘッドホンを利用するシチュエーションは以下の通り。
- PCゲーム(マルチプレイ、主にFPS)で遊ぶとき
- 仕事や作業時に音楽を聞くとき
- 趣味で楽器を弾くとき
- 音楽や動画製作をするとき
主に屋内での利用を想定していて、外出や移動時などのタウンユースは考えていません。
ワイヤレスなのに低遅延
無線のヘッドホンでどうしても問題になるのが音声の遅延。
近年の無線接続で主流となるのはBluetooth接続ですが、Bluetoothは(コーデックの種類によりますが)遅延が発生しやすい接続方法で、敵の足音や銃弾の音をいち早く聞き取ることが重要なFPSというゲームジャンルでは、どうしても有線のヘッドホンに有利を取られてしまいます。
しかしながら、ごく最近になってBluetoothでも超々低レイテンシー(遅延が少ない)を実現するコーデックが生み出されました。それは「aptX-LL(Low Latency)」です。
aptX-LLに対応した貴重なヘッドホンの一つ
Bluetoothの従来のコーデックである「SBC」という規格では、220msほどの遅延がありました。対して「aptX-LL」は、遅延を40ms以下に抑えることに成功しました。なんと、従来の5倍も早い。
ただ一点惜しむべきは、極めて新しい規格であるため、対応しているヘッドホンが限られてしまうということ。ワイヤレスヘッドホンの名機とされるSONY「MDR-1000X」や「WH-1000XM2」でさえ、残念ながらこの規格には対応していません。
今回おすすめする「ATH-DWL770」はこの「aptX-LL」に対応している数少ないヘッドホンの一つなわけですが、対応している通信方式はBluetoothだけでなく、2.4GHz帯デジタル伝送というデータ通信方式にも対応しています。これがまたこのヘッドホンの評価を上げるポイントの一つ。
低遅延&高音質を実現する、2.4GHz帯デジタル伝送方式にも対応
2.4GHz帯デジタル伝送とは、デバイスとヘッドホン間の音声データのやり取りを、2.4GHz帯の電波を利用して通信する方式のことです。
これは無線LAN等に利用される通信方式と同じもので、少しくらいの障害物や壁などを問題にせず、低遅延、かつクリアな音質でデータをやり取りすることが出来ます。FPSを始めとしたリアルタイム性を重視したゲームをプレイする上で、有線接続の次にパフォーマンスを発揮できる通信方式の一つです。
長時間のゲームプレイに耐えうる軽量ボディで、着け心地良好
遅延の次に気になるのが、装着感。僕は長いときで10時間以上ぶっ続けでゲームすることも少なくないので、着け心地は決して無視できないポイントでした。
装着感を決める上で重要なのが、総重量。ヘッドホンを一度でも付けたことがある方なら経験として分かると思いますが、単純に、重ければ重いほど疲れますよね。
ワイヤレスヘッドホンはその構造上、内部にバッテリーを含む必要があるので、有線のヘッドホンと比べた場合にどうしても重くなりがちです。しかし、「ATH-DWL770」の重量は、ワイヤレスヘッドホンとしては極めて軽い262g。 これまで僕が使ってきた有線のヘッドホンが245gだったので、その差はわずかです。これが嬉しかった。
また、写真を見てもらえると分かるように、イヤーパッドが非常に厚くて豪華です。これが耳への圧迫感を吸収して、長時間の利用にも耐えうる装着感を実現しています。
ただ、悪い点が無いかというとそうでもなく、正直、室内の温度が上がると耳周りが蒸れます。 これは密閉型ヘッドホンの宿命でもあるので仕方ないっちゃ仕方ないんですが、イヤーパッドがしっかりしている分、安モノのヘッドホンと比べると蒸れやすいように感じました。とりあえず、文句言っててもしゃあない部分ではあるので、僕は部屋の設定温度を気持ち下げることで運用しています。
MacとWindows間など、デバイス間のサウンド切り替えがほぼシームレスに行える
僕がヘッドホンを使いたいデバイスは二つあって、一つはゲーム用のWindowsマシンで、もう一つは仕事や作業用に使うMacマシン。この両デバイス間のサウンド切り替えがほぼシームレスに行えるという点も◎。
先に述べましたが、「ATH-DWL770」は、Blutoothと2.4GHz帯の二つのワイヤレス通信が可能です。ですから、「Windowsとの通信は2.4GHz帯で、Macとの通信はBluetoothで」ということができちゃいます。
通信方式の切り替えは、ヘッドホン側面にある通信方式の切り替えスイッチを一方にスライドさせるだけ。これだけで音声を再生するデバイスを切り替えられます。
気になる点を上げるとすれば、切替時に接続が確定するまで2秒ほど必要になるということですが、許容範囲内ですね。
MacでaptX方式を扱う方法
Mac OSでBluetooth接続のデフォルトとなっているコーデックは「SBC」です。このままではせっかく「ATH-DWL770」を使っても遅延が発生してしまいます。
現状、素の状態のMacは残念ながらaptX-LLには対応していないので、別途トランスミッターを購入する必要があります。しかし、コーデックを「aptX」方式に変更することは可能です。SBCとaptXでは150msほどの差があるので、必ず変更しておきましょう。
- Apple Developer にアクセスする
- Developer Tools > 「Hardware IO Tools for Xcode x.x(最新のバージョン)」をダウンロードする
- ダウンロードしたファイル(.dmg)を開き、フォルダ内の「Bluetooth Explorer」を起動する
- Tools > Audio Options を開く
- 「Force use of aptX」にチェックを入れる
- 再起動する
以上でBluetooth接続に「aptX」のコーデックが使えるようになります。
充電→利用、利用→充電の切り替えがスムーズ
トランスミッター(音声データの送受信機)が充電台を兼ねてるおかげで、利用しないときは充電台に置き、利用するときは充電台から外すという、シンプルでスマートな取り回しが可能です。
細かいことですが、「充電するときに充電用のジャックを探してコードを刺す、充電が終わったらコードを外す」みたいな運用だと、せっかく無線のヘッドホンを使っているにも関わらず、デスク上に充電用のコードがうにょうにょ置かれた状態になってスッキリしないし、何より純粋にコードを刺したり外したりする手間ってめんどくさいと思うんですよね。
充電台があるおかげで、
- 机すっきり
- 使うときは充電台から取るだけ
- 使い終わったら充電台に置くだけ
- 使うときは常にフル充電
という状態が作れるので、控えめに言って最高だと思います。
中高音域がクリアに聞こえる&モード設定により低音も強調できる
「ATH-DWL770」の音は、オーディオテクニカの特徴でもあるクリアーで輪郭のはっきりした音です。
先に述べたように、FPSをプレイする上で重要なのは銃弾や足音、またボイスチャットの音声なので、こうした中高音域にある音がボヤけることなく聞こえるということは、ゲームを有利に進める上でたいへん重要な要素です。
また、「ATH-DWL770」には以下のエフェクトモードが用意されています。
「クリアボイスモード」に設定することで、より中高音域を聞き取りやすくなりますし、マルチプレイタイトルでなく、一人で楽しむタイプのゲームで遊ぶ場合は、「ゲームモード」に設定することで逆に低音域を強調したサウンドにすることも可能です。
音場の狭さがFPSで有利に働く
他の密閉型ヘッドホンと同じく、「ATH-DWL770」も音場が狭いです。そのため、FPSを始めとした対人メインのゲームに向いています。
「音場って何?」という人に簡単に説明するならば、ひとつの箱のようなもの。大きい箱と小さい箱を比べた場合、大きい箱では小さい箱よりも音が響きやすいというのは感覚的に理解できると思います。例えば、クラシック音楽のように幾つもの音が複雑に交じる楽曲を聞く場合には、それぞれの楽器の音を捉えやすく、空間の広がりを感じ取れる音場の広いヘッドホンが好まれます。音の響きが増すので、臨場感を持ってゲームをプレイしたい場合にも音場の広いヘッドホンは向いているでしょう。
しかし、FPSをプレイするにあたって最も聞き取りたい音は、敵の「足音」や「銃弾」、味方のボイスチャットの音だと思います。 音場が広ければ、グレネードや空爆による「爆発音」に臨場感は出ますが、対人戦がメインとなるゲームではそれらの臨場感は不必要、むしろ、前述した最も重要な音を聞き取る上で、邪魔になることが多いです。
基本的にオープン型のヘッドホンは音場が広く、密閉型は音場が狭いとされています。対人メインのゲームで使うなら、「ATH-DWL770」のような密閉型のヘッドホンがおすすめになります。
オーディオテクニカ「ATH-DWL770」の写真ギャラリー
ワイヤレスのヘッドホンを使いたいFPSゲーマーは「ATH-DWL770」で幸せになれる
今回の記事は以上です。伝えたい内容をまとめると、
- 「ATH-DWL770」は、ワイヤレスなのに低遅延
- 充電台があるので取り回しが楽
- 充電のし忘れが無いので、電池が切れる心配が少ない
- デバイス間のサウンド切り替えがスムーズ
- 中高音域を拾いやすくもできるし、低音を強調して臨場感を上げることもできる
- 音場が狭いのでFPSに向いている
というわけで、FPSに最適なワイヤレスヘッドホンを探している方に「ATH-DWL770」は大変おすすめです。僕自身、ゲームをするときはもちろんのこと、普段の”音”を聞くシチュエーションがめちゃくちゃ快適になりました。ぜひ参考になればと思います。