天下の Google や NASA ですが、近年KPI(重要業績指標)として驚きの値に注目しているというニュースが飛び込んできました。それはなんと、
「血糖値」。
ここ二年間で20kg太ってしまった影響もあり、ダイエットと血糖値についての関係を調べていたんですが、この血糖値、実は脂肪だけではなく「人が一日にどれくらいの時間・どれだけ効率的に働けるか」ということにも多大なる影響を及ぼしている模様です。
石川:Googleって会社は、基本的にこれまではグレートな人たちばっかりいたんですね。最高の人材が、最高の環境で、素晴らしい仕事をしている。そういう会社だったんですけども、最近グレートに加えてグッドな人たちが入るようになったと。
もちろん優秀なんだけども「グッドな人たちをいかにグレートに持っていくか」というのが彼らの人事上の課題なんです。それで調べてみて、何が違うのか見てみたら「頭」ではないと。頭の出来ではなくて、一番違うのは「体力」と「根性」だっていうんです。
石川:Pixarという映画を作っている会社がありますよね?彼らの反省は『トイ・ストーリー2』という映画を作ったときに、社員を働かせまくって、社員をすごい疲弊させたんです。
何とか形になったんだけれども、このままじゃどうしてもサステイナブルじゃないと。それで、マイクロソフトも社員をめちゃめちゃ働かせて90年代2000年代を乗り越えてきたんだけど、サステイナブル、長く確かな経営をするには「社員の体力と根性を付けないと、どうにもならないな」と気付き始めたんです。それをどうやったらいいのか?
ということで、今研究に入っています。
小林:「体力」と「根性」ってあるじゃないですか?
「体力」は運動したり、筋トレしたりすると思うんですけど「根性」はどういうふうにトレーニングするんですか?石川:シンプルなんですよ。1つあるんです、見るべき指標が。KPI(重要業績評価指標)というんですけど。長く確かに働くために、グッドからグレートな社員になるためには、見るべきKPIは「血糖値」なんですね。
このように、Googleは企業として持続可能な力を追い求めた結果、社員ひとりひとりの体力や根性の強化といった側面に辿り尽きます。
一方で、Googleよりも先に「社員の健康づくり」を考えていたのが NASAです。
彼らは、宇宙飛行士が宇宙空間でより働けるようになるためには何が必要なのかを研究しました。そして導き出した答えが、「血糖値を一定に保つ」というものだったようです。
小林:なんで「血糖値を一定にすることだ」と気付いたんですか?
石川:血糖値というのは一定の範囲内だと、きちんと脳が働くんです。けれど、急に甘いものを食べて血糖値がグーンと上がると、上がってるときはいいんです。
すごいパフォームするんですよ。でも、急に上がると、今度は急に下がるんです。たとえば今「エナジードリンク」とかありますよね?
小林:ありますね。
石川:あれを飲むと30分間は働けるんです。でもその後、3時間くらい脳の停滞期が訪れるんですよ(笑)。
小林:飲まないほうが良いんですね(笑)。血糖値が停滞するわけですか?
石川:そうなんです。血糖値が低下すると集中力が落ちたり、クリエイティビティも落ちたり。他人への共感力も落ちるので、すぐイラッとしたりして良くない。それで、宇宙飛行士が宇宙空間で働くために「血糖値をコントロールしよう」というのがNASAの結論なんです。
エナジードリンクは飲まない方がいい(笑)
スタートアップやベンチャー企業で働く若い戦士にとってはもはや名物となっているレッドブルですが、まあ全然能率上げれてなかったってことですね。
これは最初に調べてたことですが、血糖値の急上昇はダイエットにとっても天敵です。
血糖値が急に上昇すると体は異常とみなし、血糖値を下げようとして大量のインスリンを分泌します。しかしこのインスリンは糖を脂肪に変える働きをするので、大量に分泌されるとそれだけ太ります。競技前のアスリートでも無い限り、血糖値を急に上げてもいいことないです。
血糖値をコントロールするためには?
では、血糖値を急上昇させずに、脳を活発にして、体を健康に保つにはどうしたらいいのかと言うと、これが答えになります。
石川:これだけ空いてしまうと、お昼を食べたときに血糖値がガーンと上がってガーンと下がるので、眠くなったりとか、頭が働かなくなったりする。本当はお昼を10時くらいに食べたほうがいいんですね。
それで『最後のダイエット』にも関係してくるんですけど、血糖値がガーンと上がると本来なら脳にいくはずの糖分が体に脂肪として回るようになるんです。だから「時間間隔を空けて食べると太りやすくなる」ということもあります。
体をヘルシーにするためにも、脳を働かすためにも、まずは「3、4時間ごとに食べる」というのが重要になります。
なるほどなーといった感じ。肌感覚で確かに、と思わせる内容ですよね。昼飯くったあとの、あのガツーンと眠りに落ちるアレ。アレはすべて血糖値が悪さしていたっていうわけなんですね。間食も悪い面ばかりではないようです。
しかし、石川善樹さんのお話はどれも興味深いものばかりです。糸井重里さんとの対談も面白かったので、今回のような健康や仕事の能率などにまつわるお話が好きな方は、こちらも覗いてみてはどうでしょう。
そうそう、この人ダイエット本を出してるみたいなので早速ポチりましたよ。理論建てて物事のなりたちを説明してくれるので、この点を本にも期待してます。