SEからWebエンジニアに転職して、早くも6年が経ちました。

この6年のあいだにSE時代の同期やSEの友人からたびたび聞かれるのが、

「Web系ってどうよ?」

という質問。彼らの知りたいことを具体的に掘り下げてみて思うのは、Web業界へ転職したい人は多いのに、

  • 「いまのスキルセットでやっていけるか」
  • 「会社で築いた関係性がゼロになる」
  • 「家族がいるし転職するのはリスクになるんじゃ」

ということを不安に思って、いつまでも転職できずにいるってこと。

いま心からWebの業務を楽しんでいる身からすると、「いいから早くこっちおいでよ!」って思っちゃうんですけど、一歩目を踏み出す勇気が出ないっていうのは痛いほど分かります。にんげんだもの。

今回は「SEからWebエンジニアになるのは大変なことじゃないよ」というのをイメージしてもらえるように、現役SEからよく聞かれることや、転職して感じたことについて書いてみたいと思います。



僕が転職にいたるまで

新卒で入ったのは独立系の中小SIerです。2ヶ月の研修が終わって配属されたのは、スケジュールが押しに押している大炎上中の金融案件。誰ひとり新人を相手にする余裕なんてさらさらない環境だったので、ろくにコードを読んだことのない僕にも「このバグ直して」という無茶振りが飛んできます。

「なんで新人なんか寄越したんだよ」という遠くの罵声を聞きながらも、なんとか仕事を覚えようと必死に働きました。徐々に残業時間も増えていき、一年目の終わりには100時間を超えるほどに。

新人が100時間も残業するって無駄でしかないと思うんだけど、残業をすればするほどに「あいつ根性あるな」「使えるかもしれない」と評価される空気があり、残業つれーと思いつつも周囲から認められたくてなんとか頑張ってましたね。その後も波はありましたが、基本的に毎月80時間は残業してたんじゃないかな。

でもあるときふと、「20代の時間をこんな形で使ってて良いんかな?」って思い始めます。だって、現場で扱うプログラミング言語は超レガシーで、使用するフレームワークは会社の外に出たら一生使うことねーんだろうなーって感じの某社製品。「いまのスキルセットで今後生きていけるのか……?」って悩みはずーっと頭の片隅にありました。でも、忙しさを理由にちゃんと考える時間を作らずに……。

結局そのままの状態をずるずる5年も続けてしまったんですけど、あるとき仲の良かった先輩が転職活動を始めたことがきっかけで、自分もようやく今後のキャリアについて考えるようになりました。Webの勉強もようやっと始めました。

勉強を始めて3ヶ月目くらいかな?Ruby on Railsで簡単なWebアプリが作れるようになり、転職エージェントに「未経験だけどWebの仕事したいんですよ」って話をしたら意外にもすんなり面接まで進んで、そのままトントン拍子に2社から内定をいただきました。

最終的には友人が経営するWeb系の会社に入社することになるんですが、未経験でも勉強すればやれるんだ!とこのときすげー自信が付いたのを覚えています。

SE時代の同期からよく聞かれる質問

そもそもWeb系企業って何よ?

簡単に言えばインターネットを通じてサービスを提供する会社のことです。

TwitterFacebookのように自社でWebサービスを運営する会社のほかに、LIGのように他社の製品やサービスを紹介するWebページを製作する受託会社もWeb系企業と呼ばれています。

定義には諸説ありますが、単純に「インターネット上でサイトやサービスを製作する会社」という理解で問題ないと思います。

Webエンジニアって何するの?

WebサイトやWebアプリケーションなど、Webブラウザ上で動作する仕組みを開発します。

Webの仕組みを大別するとフロントエンドとバックエンドの2つに分類できて、会社によってはそれぞれの仕組みを分業で開発するところもあれば、どっちの仕組みも理解することを求められる場合もあります。

フロントエンドはユーザーが直接見たり触れる部分(ユーザーインターフェース)の仕組みで、主にユーザーの入力を受け付けたり、入力に対する結果を表示するのがフロントエンドの役割です。

バックエンドは主にユーザーの入力したデータを処理してフロントエンドに返すのがバックエンドの役割ですね。

勤務形態はどんな感じ?

Web系の企業には出退勤が自由な会社が多いです。ほぼすべての企業がフレックスを採用しているんじゃないでしょうか。SE時代は当然のように9時出社だったので通勤ラッシュに泣いていましたが、転職してからは10時台の電車に乗って余裕で座って出勤できてます。その出勤すらも嫌になり、2016年からは在宅勤務に切り替えました。在宅勤務の最高さについてはまた今度書きます。

「残業はどうなん?」っていうのは良く聞かれますが、あります。あるよ!

新サービスや大きめの機能をリリースするときは忙しいです。これらのリリース前は最終調整で忙しくなりますし、リリース後はユーザーからの意見や不具合報告に対応するためにこれまた忙しくなります。致命的なバグがある場合は帰れないこともありますね。

ただし、それ以外の期間は定時で帰れることがほとんどです。というのも、Web業界の開発はアジャイル型がほとんどだから。

SI業界はウォーターフォールで開発を進めることがほとんどで、最初に計画を立てる段階から要件定義や実装・テストといった何ヶ月にも渡る全工程分のスケジュールを引きますよね。現場は「この日からこの日までの間に、こういうものを作ります」という約束ごとのもとで働くことになるので、計画に遅れが出そうな場合には残業せざるを得なくなります。

一方でアジャイル開発は1週間~2週間という短い期間に少しずつ機能をリリースして、ユーザーのフィードバックを得ながら順次開発していきます。「成果物が最終的にどのようなものになるか分からない、でもユーザーにとって必ず価値のあるものを作る」という前提のもとに働くので、スケジュールでは無くプロダクトの質を優先して働くことができます。

受託で仕事してるWeb系企業はまだウォーターフォールでやってるところもあると思うけど、Web系企業のほとんどはどこもアジャイルで回してるんじゃないかなー。

ていうかソフトウェアのウォーターフォール開発ほんとキツい。特に設計工程に割く時間が長すぎなんですよね。どうせ後の工程で要件変わるんだから、設計工程にプロジェクトの1/3を使うのはもうやめよう…?

職場の環境や人間関係は?

Web業界で働く人は新しいもの好きが多くて、学歴とか関係なく優秀な人が多いです。アンテナを広く張ってる人も多いので、その中に身を置いていると黙っててもいろんな情報が入ってくるし、自分を磨くための刺激になります。

あとはバイタリティの高い人も多いです。Web周りの技術トレンドを学ぶ以外にも、英会話習いに行ったり、陶芸教室に通ったり(笑)。無駄に元気な人が多いです。

起業する(した)友人がWebエンジニアを探してる!誘われたけど、悩んでる……。

僕がもろにこれ(友人の会社に転職した口)なので、たまにこういう相談も受けます。分かるぞ、悩むよな……。

マジかよって感じですが、誘ってくれる人がビジネス畑の人だったりすると、SEとWebエンジニアの違いについてあんまり分かってないことも多いです。「SEなんだーへースマホのアプリとかも作れるの?」みたいな。SEもWebエンジニアも、業界の外の人からするとパソコンさわってシステム作る人くらいの印象なんでしょうね。

もし悩んでる理由がスキルセットの違いなんだとしたら、一週間から二週間ほどWeb周りの勉強してみたら良いと思います。わざわざ技術書を買わなくても少しググればQiitaあたりで良い感じのチュートリアルが見つかると思います。べつに技術書買うのが悪いとかはないので好みで良いですよ。

ネットなり書籍なり何らかのお手本が見つかったら、あとはもうそれを写景するだけで良いので、とにかくWebアプリを1つ作ってみてください。チュートリアルで作らされるのはTwitterライクなアプリケーションが多いかな?

やってみると分かりますが、Webアプリは意外と簡単に作れてしまうことに気付くと思います。ちょっと詰まってもググれば大抵のことは解決できますし、仕事で何らかのプログラミング言語を触ってる人なら1〜2週間もあれば余裕でそれなりのものが作れるんじゃないかな。

これの良いところは単純にコードを書き写しただけだとしても、動くモノが作れるとすごく自信になるんですよね。やればできる!って感覚になります。スキルセットを更新するのはそんなに大変なことじゃないってことが肌感で分かるのでオススメです。



スキルセットどうこうで悩んでいるんじゃなくて、「実績の無い会社に入るのが少し怖い」とか「倒産したらどうしよう」とかっていうことで悩んでいるんだとしたら、「いま勤めている会社と友人に誘われた会社で、あなたの持っている時間を投資する先としてよりリターンが見込めるのはどちらの会社か」という視点で選ぶと良いんじゃないかと思います。

僕が友人の会社に入るのを決めたときに思ったのは、「普通に生きているなかで創業期の会社で働けるチャンスってそうないよなあ」っていうこと。他の多くの人が経験してないことを体験できる!美味しい!と思って入社を決めました。

実際にSEを続けていては体験できなかった多くのことを経験してこれたように思います。例えば、デスクでソフトウェアを開発するだけでなく、外に出てユーザーさんの話しを聞きに行くこともありますし、SNSを使ったマーケティングや、業務提携が見込めそうな企業に営業へ行くこともありました。とにかく職種を超えていろんな体験をしてこれたので、エンジニア以外の視点でものが見れるようになって、課題へのアプローチに幅が出るようになったと思います。

創業期の会社で働くことのできるチャンスがあるのなら、ぜひ飛び込んでみるべき!

未経験者はどんな勉強をしたら良い?

Webサイトを表現する上で、HTMLCSSの基本は学んでおいて損はないです。よほど分業が進んでいる会社でなければ、業務で触らないってことはないと思うので。

Web上で最も使われているという意味ではPHPを学ぶのが正解なのかもしれないけど、個人的にはRuby on RailsというRuby製のフレームワークを勉強して、まずは1つなんでも良いから動くアプリケーションを作ってみることをおすすめしたいです。

Railsの良いところは、とにかく早い。実行速度じゃなくて「とりあえずなにか動くもの」を作れるようになるまでの速度が早いです。また、Rubyは誰が書いても正しいコードが書けるので、初学者が扱う言語としても大変おすすめです。Rubyの作者が日本人ということもあり、国内での利用実績が多いため、ドキュメントも豊富です。

JavaScriptも勉強しておけると良いです。勢いのあるフレームワークやライブラリが多数あるので、どれか1つ使えるようになっておくと、その他のフレームワークにも応用が効くので触っておくと良いと思います。フレームワークはAngularJSかVue.jsが環境を構築しやすくておすすめです。ReactというFacebookチームの作ったJavaScript用ライブラリを使えるようになると、スマホアプリの開発でも役立つので覚えておいて損はないと思います。

いろいろと言ってしまったけど、まとめると「とにかくRuby on Railsでサンプルアプリを一個作る」のが最初の一歩目としては良いと思います。

Googleで「Ruby on Rails 入門 サンプル」といったキーワードで検索してみると良い感じのサイトが出て来るんじゃないかな?

余談ですが、こういうサンプルを読みながら自己流で実装していると「なんかよくわかんないけど動いた!」っていう場面に多々出くわします。こういうよくわかんないけど動いたという箇所はそのまま放置せずにその都度なぜ動くのかを理解できるまで頑張って勉強しておくと、他の箇所で詰まったときなんかに自力で解決できるようになったりします。応用力が付く。

ただし、「よくわかんないけど動いた!」を毎回がんばって解明していると、なかなか動くものが完成しないので楽しくないです。楽しくないと勉強を止めてしまうかもしれない。なので、がんばるところと「動いたからまあいっか」のバランスは意識して勉強を進めてください。

すぐ誰かに聞ける、っていう環境が一番成長早いんですけどね。知人に教えてもらえそうな人がいないなら、スクールに通うのもぜんぜん有りだと思います。



↑のWebCampはカリキュラムの内容を見ても抑えるところはちゃんと抑えていて良さそうですね。転職のサポートもしっかりしていて、契約内容には「学習終了から3ヶ月以内に転職できなかったら全額返金」という項目もあります。→ カリキュラムを見てみる

どうすればWeb系の会社で働ける?

企業サイトから応募する

自分で募集を見つけて企業のサイトからエントリーする方法。極めてオーソドックスっぽい方法ですが、自分が知っている企業しかピックできないのでちょっと微妙ですね。

知人・友人のつて

雇用してもらえる確立が超高い最強の方法ですが、都合良く友人がツテを持っていることもそんなに多くないですよね。

セミナーやキックオフパーティーの懇親会で仲良くなる

これは普通の人はあんまりやらない方法なのでオススメです。

ベンチャーやスタートアップ企業は、サービスのリリース時や新機能の追加時なんかに投資家やサービスのユーザーを招待してみんなでお酒飲んだりわいわい喋ったりするイベントをやりがちです。うちの会社も何回かやっています。

で、こういう場に来る人ってWeb業界に身を置く人がほとんどです。ここに来る人たちと仲良くなって「Web業界に興味あるんですよー」って言って回っていれば、かなりの確立で会社や人を紹介してくれると思います。実際に、うちの会社はキックオフに参加してくれたユーザーを雇ったことがあります。転職とは違いますが、キックオフに来てくれた大学生をインターンで雇用したこともありますね。

こういったキックオフに参加するには、日頃から新しいサービスに目を光らせておく必要があります。具体的には、THE BRIDGE(ザ・ブリッジ) – 「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディアとか、プレスリリースの配信サービスからの情報をチェックするようにして、出来たばかりっぽいサービスには片っ端から登録しておくのが良いです。

キックオフの招待メールのほかにも、ユーザーヒアリングやテストの協力を要請されることもあると思います。こんな感じでWeb業界の人とつながりを作っておくと、転職の機会もグッと増えると思います。

転職エージェントに相談する



ベタですが、効率よく転職先を探すならこうなっちゃいますね。

ITやWeb業界に最も強いのがワークポート。いまでこそ総合的に多様な職業を紹介していますが、10年以上Web専門で仕事を紹介してきた実績があります。2017年にリクルートが開催した「GOOD AGENT RANKING」というアワードで、転職決定人数部門の第1位にも輝いています。→ IT・インターネット・ゲーム業界専門の転職コンシェルジュ【WORKPORT】

まとめ。そもそもやりたくないことは悩まない!

転職の話を書いていて思い出したのは、内容がめちゃくちゃ強烈なこちらのツイート。

ツイートの内容を要約すると、洋服を見に行って、欲しくない服は買おうかどうか悩まないですよね。「この服欲しくないなあ…買おうかな?」って、ならないですよね?

大前提として、悩むということは「あなたはそれをやってみたい」ってことなんです。ただ、「うまくいくかなー」とか「給与が下がったらどうしよう」とか、未来が分からないから踏み切れないんです。もし未来を知れる能力があって、転職することですべて上手くいくと分かっていたらみんなそちらの道を選びますよね。

でも未来は誰にも分からない!転職することで上手くいくのかいかないのかは、現時点で誰にも分からないんです。

そんな僕たちにもできることはあって、それは、将来が上手くいくようにいま努力すること

未来は予知できないけど、未来を作ることはできます。がんばれば上手くいくし、がんばらなければ上手くいかない。やりたいことは悩むけど、やりたくないことは悩まない。

悩みながらも転職を決断しきれずに、なあなあにしている人は多いと思います。この機会に一度真剣に考えてみても良いのではないでしょうか。